ごあいさつ
日本病院総合診療医学会理事長 林 純
(九州大学名誉教授)
1988年以来、大学病院が中心でしたが病院総合診療医として医療に携わってきた私には、今回の「病院総合診療専門医」制度が始まり、そのプログラムを公表することは、感慨深いものがあります。未診断患者の診断だけでなく、患者の全体を診ることが出来る病院総合診療医は医療の要です。多くの併存疾患があり、慢性の病態である高齢者が増えているわが国では、必要欠くべからざる専門医と思います。ぜひ、医療を通じて、超高齢化社会となったわが国の助けになりましょう。
日本版ホスピタリストのライセンスを付与します!
日本病院総合診療医学会副理事長 田妻 進
(JA尾道総合病院・病院長/広島大学名誉教授・客員教授)
日本版ホスピタリスト『病院総合診療専門医』を日本病院総合診療医学会が付与する制度が始まります。
総合診療専門医として病院で活躍するホスピタリストを目指す皆さん、奮ってサブスペシャルティ『病院総合診療専門医』プログラムに登録してください。日本全国各地の地域医療を支える病院を舞台に質の高い病院総合診療の担い手として輝き続けてください。本制度は米国のSHM (Society of Hospital Medicine)と協調してグローバルな視点を重視しています。
困難な状況に立ち向かう医師のために
日本病院総合診療医学会理事 内藤 俊夫
(順天堂大学医学部総合診療科学講座・主任教授)
本専門医の到達目標にある項目は、COVID-19と対峙する我々にとって大変重要である。「感染制御」「メンタルヘルス」「災害医療」はまさに現在直面している課題である。「地域包括ケア」の中には「ACP」も含まれる。特に感染拡大の初期において、病院総合診療医が「リーダーシップ」を要求された場面も多い。本専門医を目指す皆様に、下記の言葉を送ります。“You chose to become a hospitalist because you seek the challenges of clinical variety, problem-solving, systems improvement, and you are a natural team leader, whether you have been designated as such or not.” (Chang W, The hospitalist)
病院総合診療スタッフレベルのステップ
日本病院総合診療医学会理事 志水 太郎
(獨協医科大学総合診療医学・主任教授)
病院総合診療専門制度は、病院に主な活躍の場を持つ総合診療医の専門性を高めるためのステップとして、2022年度より本学会の主導のもと開始となります。診療・教育・研究・病院管理学という、ミドルレベル以上の病院総合診療医に必要なスキルセットをトレーニングすることができる、総合診療の次のステップです。やりがいのある、エキサイティングな領域です。一緒にやりましょう!皆さんのご参加を心より、お待ちしています。
FHGM (Fellow of Hospital General Medicine)を目指す方々へ
日本病院総合診療医学会評議員 多胡 雅毅
(佐賀大学医学部附属病院 総合診療部 准教授)
この度、遂に病院総合診療専門医制度の開始を公表することができました。私は、「総合診療医の定義を明確にする」という強い信念を持ち、プログラム作成と制度設計に携わってきました。本プログラムの冒頭に「全人的医療、地域包括ケア、診断、組織運営、マネジメント、リーダーシップ、教育、アカデミックジェネラリスト」をキーワードとした目指すべき病院総合診療医像を明記致しました。FHGMの価値を高めることができるよう本制度をさらに発展させ、私自身も総合診療医学の発展に寄与できるよう自己研鑽を積んで参ります。皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。