学会について

理事長挨拶

 2022年4月に日本病院総合診療医学会理事長に就任して早いもので1年が経過しました。就任当初の所信表明として掲げました『骨太の方針』、1)ガバナンスの強化、2)学際的な学術活動、3)専門医制度の充実、について1年間の経過を振り返りつつ2023年度の目標をお示ししたいと思います。
 第一に、ガバナンス強化を目指して、まず常置委員会の整備を推進しています(当ホームページの該当箇所をご参照下さい)。具体的には各委員会の正副委員長を理事から選任するとともにdiversityとgenerationの観点で幅広い委員構成と規約の明文化による運用方針を明確にしました。そのうえで根幹をなす、①財務、②学会誌編集、③専門医制度に関する委員会の責任者には副理事長として学会運営の管理にも携わっていただく仕組みを整えて諸課題に機動的に取り組む体制を構築しました。
 第二に、学術活動の学際化を強化するために、他学会・他団体組織からのアドバイザリーボードを交えた弾力的かつ機動的な組織統治を推進しています。具体的には関連学会との共同・合同企画を継続的に推進して、①横断的な学問領域との学術的共生、②米国Society of Hospital Medicine(SHM)とのcollaborationに基づくグローバルな研鑽による“日本版ホスピタリスト”養成に取り組んでおります。特に後者は後述する専門医制度にも関わる重要課題として双方の学術集会を通じて継続的に注力しています。
 第三に、専門医制度については学会主導の制度を先行して具体化していますが、同時に日本専門医機構認定サブスペシャルティ領域としての申請も行いつつ学会独自の実績を蓄積とそれに基づく機構認定を視野に“病院総合診療専門医”の養成を開始しました。すなわち2023年が第一期生専門医誕生年(専門医制度元年)となります。決して独善的な制度に歪曲することなく真摯な制度設計と誠実な専門医育成に努めて国民や社会の要請・負託にこたえるべく学会の総力を挙げて取り組んでいます。
 日本病院総合診療医学会は2010年2月に開設当初会員数約80名から現在は2100名を超えるに至り、学会組織基盤が充実しつつありますが、同時に学会としての社会的使命も進化・深化しつつあります。2023年2月に開催された第26回学術総会(会長:獨協医科大学志水太郎教授)の参加者は1400名を超えており着実にプレゼンスを高めております。その根底にある国民・社会・医療者からの期待に応え得る学術集団として使命感をもって、理事長として学会運営に注力したいと存じます。
 引き続き本学会へのご支援とご理解のほど宜しくお願いいたします。

2023年4月1日