学会主導研究 JAPAN studyについて

当学会では、「急性肝性ポルフィリン症(AHP)」の早期診断を推進するため、全国規模の学会主導研究「JAPAN study」を実施しています。

希少疾患「急性肝性ポルフィリン症(AHP)」とは
急性肝性ポルフィリン症(AHP)は、ヘム合成に必要な酵素の欠損によって引き起こされる遺伝性の希少疾患です。10万人に1人という発症率ながら、その症状の非特異性から診断が難しく、発症から診断までに平均15年かかると報告されています。

AHPの主な症状

  • 腹痛:AHP患者の約9割に見られ、急性腹症と誤診されることがあります。
  • 嘔気・嘔吐、便秘などの消化器症状
  • 四肢痛、背部痛、筋肉痛などの疼痛
  • 不安、うつなどの精神症状
  • 赤褐色の尿(ポートワイン尿)
  • 重症例では四肢麻痺や呼吸停止も発生することがあります。


AHPは早期診断・適切な治療により、患者さんの生活の質が大きく改善する可能性があります。しかし、症状が多彩で非特異的なため、過敏性腸症候群(IBS)、虫垂炎、婦人科疾患などと誤診されやすいことが知られています。

研究の正式名称(略称)
Japanese Society of Hospital General Medicine, Assessing the relationship between urine Hoesch reaction and Porphobilinogen for diagnosing Acute hepatic porphyria in patients with NSAP(JAPAN study)

研究目的と背景
  • 「非特異的腹痛(NSAP)」と診断された患者の一部には、未診断のAHPが含まれている可能性があります。
  • AHPの診断には尿中ポルホビリノーゲン(PBG)検査が有用ですが、通常の検査では結果判明まで約10日かかります。
  • この研究では、迅速診断のためのヘッシュ試薬による尿検査の有用性を評価します。
研究の特徴
  • 全国の病院総合診療医学会会員が所属する医療機関で実施している。
  • 65歳未満の原因不明の腹痛患者さんを対象とする。
  • AHPを疑う症状(消化器症状、神経症状、精神症状など)がある患者さんに対し、尿検査を実施する。
  • AHPの早期発見に貢献する。

関連リンク

参考情報

研究に関するお問い合わせ

JAPAN study研究事務局
メール:japan_study@n-place.co.jp

※本研究はAlnylam Japan株式会社の研究助成を受けて実施しています。