学会主導研究 EXPLORE-HAE study

当学会では、「遺伝性血管性浮腫(HAE)」の早期診断を推進するため、全国規模の学会主導研究「EXPLORE-HAE study」を実施しています。

希少疾患「遺伝性血管性浮腫(HAE)」とは

遺伝性血管性浮腫(HAE)は、C1インヒビターの欠損または機能異常により、血管透過性が亢進し、皮膚や粘膜、消化管、気道などに浮腫を引き起こす希少疾患です。発症頻度は5万人に1人程度とされ、診断の遅れが重篤な転帰を招くこともあります。

HAEの主な症状
  • 腹痛(消化管浮腫):HAE患者の約8割に見られ、急性腹症と誤診されることがあります。
  • 顔面、四肢、外陰部などの局所の腫脹
  • 喉頭浮腫:窒息のリスクがあり、緊急対応が必要です。
  • 発熱や蕁麻疹を伴わない非炎症性の浮腫


HAEは、過敏性腸症候群や虫垂炎、アレルギー性浮腫などと誤診されやすく、診断までに平均で7〜10年を要することもあります。
研究の正式名称(略称)

Exploring the clinical practice and prevalence of HAE in patients visiting hospital general medicine departments in Japan(EXPLORE-HAE study)

研究目的と背景
  • 総合診療科を受診する患者の中に、未診断のHAE患者が含まれている可能性があります。
  • HAEの診断には知識と検査が必要であり、一般診療の現場では見逃されやすい疾患です。
  • 本研究では、全国の総合診療科におけるHAEの有病率と臨床的特徴を明らかにし、早期診断体制の構築を目指します。


研究の特徴
  • 全国の医療機関で実施している。
  • 原因不明の腹痛や浮腫症状を呈する患者(年齢制限なし)を対象としている。
  • HAEを疑う症例に対して行われたC1 インヒビター活性を含む検査結果を収集する。
  • HAEの早期発見と診療体制の整備に貢献する。
関連リンク・参考情報
研究に関するお問い合わせ

EXPLORE-HAE study研究事務局
メール:explore_hae@jshgm.jp

※本研究は、CSLベーリング株式会社の研究助成を受けて実施しています。