一般のみなさまへ
一般の方々に総合診療についての情報を発信し、総合診療をより知っていただくため、
総合診療の説明や日本病院総合診療医学会に所属する総合診療科の紹介を行っていきます。
また、各地で開催される総合医療関連のイベント等のご紹介も掲載していきます。
総合診療について
患者ー医療者協働の立場で、患者の個別性に配慮し、あらゆる健康問題に対して多面的な視点から適時かつ正確、公平で継続性のある診断・ケアを実行できる専門能力
総合診療医とは、特定の病気や治療法に得意分野を絞るのではなく、患者さん一人ひとりの「物語」と背景を考慮して診療することができる医師です。まだ原因が明確でない健康問題や、複数の医学的な課題、さらには心理的・社会的な状況まで含めて、患者全体を横断的に診ることを得意としています。そのために、総合診療医は患者さんが抱える表面的な症状だけでなく、その背後にある状況を察し、不安や悩み、そして時に語られない問題にまで耳を傾け、それにどの様に対応するべきか、という実行力を身に着けています。
総合診療医の役割は、病院、クリニック、在宅医療のあらゆる場で発揮されます。風邪をはじめ生活の中で生じるさまざまな健康問題を継続的に診察し、軽症から時に命にかかわる重症な状態に至るまで、幅広い知識と柔軟な対応力で迅速に診療します。このように、総合診療医は一人ひとりの患者さんのあらゆる状況における最適な医療を提供することができること、それが総合診療医が「患者全体を広く深く診る専門」の医師と言われる所以ともいえます。
このような能力を持つ総合診療医の専門訓練は、特定の臓器に焦点を当てた専門訓練とは異なります。総合診療医は、患者を単なる「病気の集合体」としてではなく、一人の人間として捉え、かつあらゆる問題を丁寧かつ分析的に診る訓練をとおすことで、横断的、俯瞰的、時に鋭い視点で患者さんの健康状態を見抜く力が付きます。このような幅広く深い視点が、地域の医療を支え、人々の健康を守るうえで今の医療に欠かせない役割となっています。