学会主導研究 EXPLORE-HAE study
当学会では、「遺伝性血管性浮腫(HAE)」の早期診断を推進するため、全国規模の学会主導研究「EXPLORE-HAE study」を実施しています。
希少疾患「遺伝性血管性浮腫(HAE)」とは
遺伝性血管性浮腫(HAE)は、C1インヒビターの欠損または機能異常により、血管透過性が亢進し、皮膚や粘膜、消化管、気道などに浮腫を引き起こす希少疾患です。発症頻度は5万人に1人程度とされ、診断の遅れが重篤な転帰を招くこともあります。
HAEの主な症状
- 腹痛(消化管浮腫):HAE患者の約8割に見られ、急性腹症と誤診されることがあります。
- 顔面、四肢、外陰部などの局所の腫脹
- 喉頭浮腫:窒息のリスクがあり、緊急対応が必要です。
- 発熱や蕁麻疹を伴わない非炎症性の浮腫
研究の正式名称(略称)
Exploring the clinical practice and prevalence of HAE in patients visiting hospital general medicine departments in Japan(EXPLORE-HAE study)
研究目的と背景
- 総合診療科を受診する患者の中に、未診断のHAE患者が含まれている可能性があります。
- HAEの診断には知識と検査が必要であり、一般診療の現場では見逃されやすい疾患です。
- 本研究では、全国の総合診療科におけるHAEの有病率と臨床的特徴を明らかにし、早期診断体制の構築を目指します。
研究の特徴
- 全国の医療機関で実施している。
- 原因不明の腹痛や浮腫症状を呈する患者(年齢制限なし)を対象としている。
- HAEを疑う症例に対して行われたC1 インヒビター活性を含む検査結果を収集する。
- HAEの早期発見と診療体制の整備に貢献する。
関連リンク・参考情報
- 急性腹症診療ガイドライン 2025 第2版
- 遺伝性血管性浮腫(HAE)診療ガイドライン改訂2023年版 – 日本補体学会学会誌
- 遺伝性血管性浮腫患者会 くみーむ – 患者会
- 遺伝性血管性浮腫患者会 HAEJ – 患者会
- HAE-info – 遺伝性血管性浮腫(HAE)診断コンソーシアムによる詳しい疾病情報
- HAE International(HAEi)– 海外のHAE情報
研究のコアメンバー
- 田妻 進 県立二葉の里病院 顧問 / 日本病院総合診療医学会 理事長(本研究統括責任者)
- 多胡 雅毅 佐賀大学医学部附属病院 総合診療部 教授(本研究実務責任者)
- 大塚 文男 岡山大学学術研究院医歯薬学域 総合内科学 教授 / 日本病院総合診療医学会 学術委員長
- 鍋島 茂樹 福岡大学医学部 総合診療学 教授
- 内藤 俊夫 順天堂大学医学部附属順天堂医院 総合診療科 教授
- 志水 太郎 獨協医科大学病院 総合診療科 教授
- 佐々木 陽典 東邦大学医療センター大森病院 総合診療・急病センター 教授
CSLベーリング株式会社 メディカルアフェアーズ本部(本研究実施責任組織)
研究に関するお問い合わせ
EXPLORE-HAE study研究事務局
メール:EXPLORE-HAE_Study@n-place.co.jp
メール:EXPLORE-HAE_Study@n-place.co.jp
※本研究は、CSLベーリング株式会社の研究助成を受けて実施しています。
本研究に関する業績
【その他(スポンサードセミナー・シンポジウム)】
ランチョンセミナー2「遺伝性血管性浮腫(HAE)を知って学んで治療する!HAEのすべてが詰まった1時間」座長. 第30回日本病院総合診療医学会学術総会. 2025, 2, 22-24 広島国際会議場
「遺伝性血管性浮腫(HAE)の早期診断 ―C1インヒビター/C4検査の意義―」 第29回日本病院総合診療医学会学術総会. 2024, 9, 7-8 有明セントラルタワーホール&カンファレンス